Patrick Baudisch教授が率いるドイツの研究室「The Human Computer Interaction Lab」は、最低限の小道具でVR空間とリアル空間を連動させる「TurkDeck」の実験内容を公開しました。Oculus Riftを装着したプレイヤーの行く先々で、周囲の人間(黒子)が壁などの小道具を駆使してVR内と同じように構築するというものです。
小道具には、折りたたみ可能な壁、テーブル、椅子、棒などがあり持ちやすい工夫も施してあります。それを持って黒子たちが移動しセットを作り上げていきます。
プレイヤーの頭には大きな認識装置が取り付けられており、頭上にスタンバイしているカメラで動きを追跡します。その動きに合わせて小道具をセットしていくのですが、いつどこに何をどういう形式でセットするのかという情報をコンピューターが黒子に指示をします。プレイヤーの追跡に合わせて8m頭上に設置してあるプロジェクターから番号と場所が床に投影され、音声によっても黒子に伝えられます。番号入りTシャツを着ている黒子たちは、コンピューターが計算した位置へと小道具片手に誘導されるわけです。
今回の実験は、動画でも公開されていて、PDFではさらに詳細に内容が記述されています。同ラボは、というようなユニークな実験を他にも行っており、VR内の段差を感じさせる「Level-Ups」や(過去記事)、VRボクシングで打たれた感触を伝えるデバイス(過去記事)などがVR関連ではあります。