マサチューセッツ工科大学(MIT)の「CSAIL(Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)」と、ボストン大学のチームは、人間の脳信号のみを使用してリアルタイムにロボットのミス(選択)を修正するフィードバックシステムを公開しました。
テスト映像では、ロボットがスプレー塗料缶かワイヤーかを自己判断させ分別する実験が行われました。間違えて逆の方向に入れそうになった時、ブレインコントロールで事前に伝え自己修正させることが今回の狙いです。
ミスを気がつかせるために利用したのが、48個のセンサーが搭載した脳活動を記録するEEGキャップを被った人間の脳反応です。EEGキャップを被ったオペレーターは、分別するロボットを見つめるだけですが、何か間違っていると気づいたときに発する脳信号「Error-related potentials (ErrPs)」がロボットへ伝わる仕組みになっています。
この伝達でミスを気がつかせ修正させる行動に切り替えます。これは、ロボットに「ボタンを押す」「言葉で伝える」といった入力指示を出さずに、人間の「間違えてる!」という自然な直感で瞬時に特定の行動を行わせるができたことを示します。
CSAILのDaniela Rus氏はこう述べます。
「このような合理化されたアプローチは、産業ロボットやドライバーレスの車など、まだ発明していない技術を監督する能力を向上させるだろう。」と。
直感的な人間とロボットのインタラクション
また、今回のアプローチは、人間とロボットが双方向に対話している見方もできます。
人間の脳信号を読み取ってロボットの制御信号として使用することはロボットの選択に影響を与え、ロボットが正しい選択をするかどうかは人間の反応に影響を与える。これは人間とロボットが自然にコミュニケーションをとり影響し合ってると理解することもできます。
フライブルク大学のロボット工学の研究者Wolfram Burgard氏はこう述べます。
「人間の言語をロボットにとって意味のある信号に変換することがどれほど困難かを考えると、この作業は人間とロボットの共同作業の将来に真に深い影響を与える可能性がある。」と。
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