FacebookによるソーシャルVRの詳細映像。本人と認識できるけどリアル過ぎないアバター、360°実写映像をバックに人を中央にキープするエリア環境など(#OC3)

先日行われたOculusの年次開発者カンファレンス「Oculus Connect 3」にて、FacebookゲームデザイナーのMike Booth氏がソーシャルVRについてのセッションを行いました。

その様子は録画ビデオで確認できます。

 

セッションは、Facebook CEOのMark Zuckerberg氏が登壇し披露したソーシャルVRをより掘り下げた内容となっています。

3つのパートに分けて説明します。「Believable avatars」、「Social enbironments」、「Utility」。アバター、ソーシャル環境、ユーティリティです。

1 Believable avatars

アバターに関しては、最初に、人間そっくりに見えるロボット(中途半端にリアルなアバター)などは、人は嫌悪感を抱くという不気味の谷現象(Uncanny valley)を説明し、ソーシャルVRにおいてはその領域を避けることが重要と述べます。(ホラーゲームではこの領域が効果的)

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一方で、デフォルメしすぎても知人があなたと一目で認識できない、加えて自分に似たアバターを自分自身が気にいるかという満足度も重要とし、そんなアバター作成にいろんな角度からの実験を繰り返し、現時点での最終的なアバターが今回のデモに登場したデザインになります。

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そして、その他のアバター要素として8つが挙げられます。

  1. Speech:アバター同士の会話。高品質に空間的に聴こえる環境。
  2. 1:1Tracking:自分の動きを自身のアバターと連動させる追跡。既成のアニメーションをアバターに使用しすぎると連動感が壊され、相手はあなたをあなたと感じなくなる。
  3. The importance of hands:手の追跡も重要。
  4. Eye contact:視線と視線を合わせるアイコンタクト。あなたが相手と本当に話していると言う感覚を作成。
  5. Gaze following:違う友人を見ながら相手と話したり、違う何かを見ながら話をしたりも自然なこと。瞬きも重要。
  6. Lipsysnc:声を拾って数パターンある基本の口形状を求め、あらかじめ用意してある既成モデルを適応しアバターに反映させる口パクシステム。
  7. Emoting:大袈裟な感情表現。顔の前に両手を上げ頬に置くと誇張してびっくりした顔になるなどの様式的なトリガーを用意。(VR絵文字)
  8. Arms and body:自分の手は透明で浮いているように表示。体の動きに対して余韻で付いてくる2次的運動も表現。頭を振ると束ねている髪の毛が追いかけて揺れるとか、メガネやパーカーの紐が追従して動くなど。

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腕を広げるとオラウータンのように長く、動かすと伸縮する作用を取り入れているのも興味深いところです。

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2 Social enbironments

アバターの次は、アバター同士がコミュニケーションする環境です。いろんな実験、大きなVRエリアでやったり、それでプレイヤーが迷子になったり、好きな内装を構築したエリアでやったり、などを経て、最終的には実写360°映像をバックにし、中央に円形のテーブルみたいな同じスポットの周りにアバターをキープさせることを採用しました。

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3 Utility

最後に、上記のソーシャル環境下でどんなことができるかのテストしてきた歴史を紹介します。

カードボードゲーム、ドールハウス、楽曲作成ゲーム、そしてデモにも登場した空中にペンを使って3Dオブジェクトを作成することができる「Space markers」、トランプゲームができる「Deck of cards」、Facebookメッセンジャーアプリ経由のビデオ電話を使用して非VR者と接続できる「Messenger video call」など。

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他にも、Facebook上でライブストリーミング配信をしたり、PCの2Dモニター画面を共有したりも紹介していました。(参考までに、Google Daydream LabsによるソーシャルVRについての発表はこちらの過去記事でご覧いただけます。

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