先日サンフランシスコで開催された開発者向けカンファレンスGoogleI/Oにて、Googleの新モバイルVR「Daydream」のデザイナーであるDaydream LabsのRobbie Tilton氏がSocial in VRについて講演しました。
VR業界ではソーシャルVRについて多くの可能性を探求していると言います。そして、ソーシャルVRは世界のどこにいるのか関係なく他の誰かと同じ部屋でいるかのように感じると述べます。
最初に上げたのがアバター。映像で登場したのは、両目が付いたGoogle Cardboardらしきヘッドセットを顔に見立て両手部分があるアバターが表示されます。顔と目、手が動き、それらと声を組み合わせれば多数の感情が表現できると言います。
目が重要
その中でも目は対人コミュニケーションにおいてとても重要だと述べ、目について掘り下げます。まず目の瞬きはランダムにプログラムされていて、時々瞬きをします。そして、ヘッドセットの動き/方向によって瞳孔(黒目部分)が微妙に動きます。口や眉毛など目以外の特徴がなくても、目だけでフェイスツーフェイスのコミュニケーションを増幅させることができると述べます。
一方で腕や胴体、脚があるフルボディアバターのことも言及しており、フルボディアバターは正しく取得するのが難しいとし、もし使用する場合、設計を慎重にする必要があると述べます。フルボディを自然な人として感じさせるのは難しいと。
Social VRを多くの人を使って実験
両目がついた顔と手だけのアバターを使って、多くの人々とソーシャル実験しました。ただ話をするだけではあれなので、共通の目的(映像ではパズルを一緒に完成させる目標)を設定しテストします。そうすると、話だけよりも簡単に交流し打ち解けたと言います。そして、一緒になってジャンプしたりダンスしたりでまぬけに楽しんでいる様子を見た時はこちらも楽しい、それはSocial in VRにおいて私の好きな部分の一つと述べます。
あと、こういったように複数人をVR空間へ置いた場合、まず最初にユーザーがすることは、お互い物理的に接触しようとすることだと言います。例えば、ハイタッチとか、手同士でやり取りする系を。そして、開発者としても物理的な接触を増幅するための方法を探索します。映像では、お互いの手が接触すると感触フィードバックと同時に花火が飛び散るアニメーションが表示されるプログラム例が提示されていました。
パーソナルスペースへの侵入を防止する
話は変わり、トローリングVRアプリ(船から魚釣りを楽しむアプリ)では、アバターをカスタマイズ(帽子やメガネをその場で装着できる)ショッピングルームが設けられ、そうすると、お互いが相手の帽子を選んでかぶらせ合う光景が見受けられ楽しむ様子が映し出されます。ただ一部のユーザーは、ふざけて装着させたりして相手のパーソナルスペースに侵入する一幕があり注意が必要だと言います。
そこで、開発者たちはそういった相手のパーソナルスペースに侵入することを防止するアイディアを考える必要があるとし、映像ではユーザー同士(犬アバター)がポーカーをするアプリで例を提示していました。ポーカー対戦でチップを取り合う状況のなか興奮するユーザーもいる、相手のチップを無理矢理奪い取ったり攻撃したりが起こるかもしれないなかで、できない仕組みをプログラムします。相手に近寄るとVR内が灰色となり自分の姿が消え、どうすることも出来ない状態にし結局自分の席に戻らないとプレイ続行できない仕組みです。そうすることで、チップを奪ったり相手を攻撃したりを防止するというわけです。
というのは、1アプローチであり多くのアイディアを聞いてみたいと述べ、最後にフェアプレイを推奨すると付け加えます。
VR内で自撮り動画
そして、最後にVR内で1対不特定多数という状況下を説明します。映像では、1人が自撮り棒にビデオカメラを装着させて、自分を撮影し不特定多数がPCやスマートフォンからそれを見る光景が映し出されます。ホワイトボードで勉強を教える風に、そして中の人が自撮り棒を操作してカメラの視点を変え観客に見せたい箇所をクローズアップするシーンも見受けられました。
という感じで、Social in VRにとても興奮していることを述べ締めくくります。これら映像は、こちらの動画18分ころから始まります。