マイクロソフトの研究機関「Microsoft Research」は、モバイルVRおよびローエンドPCに高品質なバーチャルリアリティをもたらす「FlashBack」と呼ばれる新しい技術を発表しました。
これは、Google CardboardやGear VRなどにみるモバイルVRを、Oculus RiftやHTC ViveにみるハイエンドVRヘッドセットクラスの性能をもたらす可能性、そしてローエンドのノートPCでも高品質なVRをもたらす可能性を秘めています。
FlashBackは、ライス大学のKevin Boos氏、Microsoft ResearchのDavid Chu氏とEduardo Cuervo氏によって研究論文(PDF)として発表されました。
(論文「FlashBack: Immersive Virtual Reality on Mobile Devices via Rendering Memoization」)
FlashBackは、リアルタイムで各フレームを計算するのではなく、その代わりに、事前にあらゆる角度の圧縮されたフレームを保存することで空間内のオブジェクトをプリレンダリングするアイディアを採用しています。
論文では、FlashBackを実行した場合、従来のモバイルVRと比べてフレームレートが8倍向上、フレームあたりのエネルギー消費量97倍減少、レイテンシが15倍低減という結果を得たとのことです。
通常とFlashBackを比較したデモ映像も公開されています。論文はこちら(PDF)。
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