ロサンゼルスベースの企業「Reach Bionics」は、顔のジェスチャーによる新しいタイプのユニークなコントローラー「Conjure controller」(特許出願中)を開発しています。
スマホベースのVRヘッドセットGear VRの内側数カ所に筋電センサー(EMG)を埋め込んで、顔の筋肉の動きによって生成された電気信号を解析することによって可能にします。小さなセンサーは、VRヘッドセットの生地に直接縫い合わせる形式になっていて、VRヘッドセット外側に接続されている3.7ボルトのリチウムイオン電池によって供給され、Bluetooth経由で近くのコンピューターにデータが送信されます。現在のバージョンは、2.4GHzで無線データを伝送します。鼻周囲の動きを読み取りVR内の動作をコントロールするわけですが、どの動きをすればどう動くかというのが実際にやってみないと分かりません。それほど選択肢はないように思えますが、誤送信処理はどうしてるかなど疑問が多いです。
さらに、Reach Bionicsは、今回CES 2016で発表したConjure controller以外にも、耳の動きを検知し操作を反映させる「PAM Controller」も開発していて、同じ要領で耳の微妙な筋肉の動きを解析して送信することでコントロールを可能にしています。これもどこまで自由度があるのか気になるところです。
さらに、顔周辺の操作でいえば、視線はとりわけ注目されてるモーションコントロール技術で、VRヘッドセット「Fove」は先行して投資をしていますし、人間の目を追跡する技術に関して20年以上の経験をもつSensomotoric Instruments(SMI)は、各種VRヘッドセットへのアイトラッキング対応に開発を進めています。SMIに関しては、視線の中心部分をフル解像度でレンダリングし、その周りを60%Res、さらにその周りを20%Resと徐々に低解像度に落とすことで、効率的なレンダリングを可能にする技術「Foveated rendering」も最近発表していてコスト削減を体現しています。
視線、鼻、耳、それぞれによるユーザインタフェイスが加わることになるのなら、ハンズフリーの操作が今の音声だけという状況から一変するかもしれません。下の映像は、耳の技術デモです。