プロペラを使用した触覚研究4本

様々なアプローチの触覚デバイスが研究されているが、今回は、その中でもプロペラを使用した触覚研究4本をご紹介。

棒に2台の小型プロペラを搭載した触覚デバイス「Aero-plane」

論文:Aero-plane: A Handheld Force-Feedback Device that Renders Weight Motion Illusion on a Virtual 2D Plane

 KAIST、ダートマスカレッジ、シカゴ大学による研究チームは、2台の小型プロペラを搭載した触覚デバイスを「Aero-plane」提案する。

 本研究は、0.3秒以内に最大14 Nの移動重量をレンダリングできる2台の小型ジェットプロペラに基づいた力覚フィードバック・ハンドヘルドコントローラを提案するもの。

 プロトタイプは、非常にシンプルな作りで、棒状の先端に2台のジェットプロペラを取り付けた構造。プロトタイプの重量は約1kg。各ジェットプロペラを回転させてVR内の触覚を再現する。VRとの連動はリアルタイムに行われ、低レイテンシで垂直力覚を生成する。

 実験では、2種類のアプリケーションが紹介される。1つ目は、平面上を転がるボールの再現。平面上を移動する物体の触覚運動を錯覚させる。2つ目は、 異なる形状とサイズのキッチンツールの再現。調理器具の長さ、重さ、重心に応じて、さまざまな触覚フィードバックを提供する。

 また、棒状のプロトタイプだけでなく、銃のハンドル型アタッチメントに応用してショットと同時に力覚フードバックを生成したり、釣りアプリケーションでは竿として使用したり、さらに、スマートフォンに取り付けてスマートフォンの画面を見ながら、飛行制御するアプリケーションも紹介する。

2つのロータユニットで構成する棒状の触覚デバイス 「LevioPole」

論文:LevioPole: Mid-air Haptic Interactions using Multirotor 

 東京大学と国立成功大学は、VR/ARにおける触覚を再現する2つのロータユニットで構成された棒状デバイス「LevioPole」を提案する。

 デバイスは、 プロペラモータ、センサ、バッテリ等で構成され、 棒の両先端にロータユニットを整備する。ロータユニットは、コンテンツの用途に応じて駆動し、回転運動および直線運動を生成する。

 例えば、ボートを漕ぐVRコンテンツにてオールの触覚を再現し、パドリングによる水の抵抗を感じたり、他にも、上向きの力で高いジャンプを再現したり、重量挙げを再現したり、さらに、ナビゲーションツールとして、ユーザ誘導に使用したりもできる。

6つのプロペラを搭載するキューブ型触覚デバイス「Thor’s Hammer」

論文:Thor’s Hammer: An Ungrounded Force Feedback Device Utilizing Propeller-Induced Propulsive Force

 トロント大学とKAISTの研究者らは、プロペラの推進力でVR内での抵抗力を提供する触覚フィードバックデバイス「Thor’s Hammer」を提案する。

 6つのモーターとプロペラが備わっており、各プロペラは重心から離れた外向きの気流を作り出す。これらプロペラの組み合わせで、押したり引っ張ったりなど3次元の力を生成。

 作成したVRアプリでは、水の流れを感じたり、羊との綱引きを感じたり、ボタンを押した時の反発力であったり、などが紹介される。

2台のプロペラを搭載する手首装着型触覚デバイス「Wind-Blaster」

論文: Wind-Blaster: aWearable Propeller-based Prototype that Provides Ungrounded Force-Feedback

 KAIST(韓国科学技術院)の研究者らは、 手首に装着する2つの無人機プロペラを回転させて、触覚フィードバックを発生させるウェアラブルインタフェースを提案する。

 デバイスは、2つのダクトプロペラ、IMUセンサやモータが整備された本体、手首にデバイスを固定するためのストラップ等で構成されており、VRと連動してモータで駆動する。重量は166.7g。

 実験では、Unityで作成したHTC Vive向け1人称シューティングゲームを開発し、異なる4つの武器(銃、盾、剣、魔法の剣)の触覚を再現。 銃だと、トリガーを引くとプロペラの最大速度(33,000rpm)が駆動し、弾丸が発射する感覚を得たり、盾の場合だと、敵に攻撃を受けている時間は連続的に駆動し、防いでる触覚を再現したりと、強度と時間の変動で多用な触覚を再現する。

About

テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア。山下が個人運営と執筆を行う(連載除く)。ITmedia NEWSさんでも執筆中。Seamlessをサポートできるプログラムも実施中。

yamashita.mailer(a)gmail.com

連載

ページ上部へ戻る