大阪大学、チューブに流す流体を制御することで表示するチューブディスプレイ「TuVe」を発表。色つきと透明の流体を交互に流入し多様な表示を生成

大阪大学の研究チームは、チューブに流す流体を制御することで表示するチューブディスプレイ「TuVe」を発表しました。

論文:TuVe: A Flexible Display with Tube
著者:Yuki Inoue, Yuichi Itoh, Takao Onoye
所属:Osaka University

本論文は、チューブを用いて自由な形状を作り、その中の流体の位置やサイズを制御することで情報を提示するディスプレイを提案します。本提案手法は、柔軟に変形するチューブを用いて多様な3次元ディスプレイを形成し、チューブ内に流す多色の流体を制御することで表現するアプローチを採用します。

プロトタイプは、ディスプレイ部となるチューブ、流体(色付き流体と透明流体)、ポンプ、電磁弁(ソレノイドバルブ)、合流部分、回収容器、カメラから構成されます。

チューブは、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂からなる内径3mm、外径4mmのものを使用します。また、外側からカメラを用いてチューブを撮影することで、流体の動きを捉え、チューブ形状を分析するコンピュータビジョンベースのアプローチを適用します。これは、流体の位置制御のためのポンプの持続時間と速度をキャリブレーションするためです。


プロトタイプの外観

プロトタイプは、円柱にチューブを巻き付けることでディスプレイを形成し、チューブ内に透明の流体(空気)と着色された流体(着色水)を交互に流入することでチューブ内に小さな色付き液滴を作り、ディスプレイとして多様な表現を生成します。例えば、下の画像で確認できるように、青の流体で文字を表示したりします。

他にも、チューブ内を流れる流体の種類を変えることによって別のディスプレイを構築することができ、例えば、自発光ディスプレイ(自発光液体)や、温度提示ディスプレイ(お湯を使用)などが挙げられます。また、応用として、デジタルサイネージやプロジェクションマッピング、実物体へのテクスチャマッピングとしても活用可能としています。

 

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