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カーネギーメロン大学、1秒間に1600枚の焦点面を表示する多焦点ディスプレイを発表。40fps(60fps)で1フレームあたり40枚(26枚)の焦点面

College of Engineering, Carnegie Mellon University, Pittsburgh, PAの研究者らは、毎秒1600枚の焦点面を表示する多焦点ディスプレイを発表しました。本論文は、Siggraph Asia 2018で発表予定です。

論文:Towards Multifocal Displays with Dense Focal Stacks
著者:JEN-HAO RICK CHANG, B. V. K. VIJAYA KUMAR, ASWIN C. SANKARANARAYANAN

人間の目は自動的に水晶体を変化させ焦点を変えますが、VR/ARディスプレイにおいて、この目の機能は輻輳-調節の矛盾問題を引き起こし不快感を誘発します。この課題の解決策の1つとして多焦点ディスプレイで軽減できますが、焦点面の数が限られているため、エイリアシングアーチファクトや低解像度などの問題が浮上し不十分です。

そこで、本論文では、これまでの焦点面表示数を桁違いに増やした多焦点ディスプレイを提案することでこの問題解決に取り組みます。提案されるプロトタイプは、1秒間に1600枚の焦点面を表示することができ、毎秒40フレームで1フレームあたり40枚の焦点面を持つシーンの表示を可能にします。


画像は、焦点を変更できるカメラから撮影されている。画像内の対象物は異なる深さであるため、異なる焦点が当てられる。家は25cm離れており、月はInfinity。

提案されるプロトタイプは、プロジェクタシステム、可変焦点モジュール(可視光を通過させて赤外線を反射する2つのダイクロイックミラー含む)、制御回路で構成されます。

可変焦点レンズの端部を介してコリメートされた赤外線レーザビームを出射することで、焦点距離を測定します。

これまでの多焦点ディスプレイで主にボトルネックになっていたのは、可変焦点レンズの整定時間です。例えば、液体レンズは、液体に電圧を加えることで屈折率を変え焦点を変更しますが、所望の深さでレンダリングされるようにレンズが定着するのを待つため、典型的で定着するまで約5ms、毎秒30~60フレームで動作するディスプレイで1フレーム当たり3~6枚の焦点面になります。不十分です。

これをクリアするために、提案するプロトタイプでは、可変焦点レンズが特定の焦点距離に定着するまで待つことなく、任意の深度で焦点面を正確に表示することができるアプローチを採用し、可能にしました。これは、焦点距離の範囲にわたって掃引するようにレンズを常に駆動し、その後焦点距離をリアルタイムに追跡することで実現します。

言い換えると、焦点調節可能なレンズを駆動して所望の範囲の焦点距離を周期的に掃引し、焦点距離を高速かつリアルタイムで追跡することにより、多数の焦点面を表示することを可能にしました。毎秒40フレームで1フレームあたり40枚の焦点面、そして、毎秒60フレームで1フレームあたり26枚の焦点面で動作させることに成功しました。

これにより、焦点距離のスイープとトラッキングシステムは、カスタマイズされた高速プロジェクタと組み合わせることで、高密度焦点スタックの表示を可能にし、昨今のVR/ARディスプレイにおける輻輳-調節の矛盾もより軽減するとしています。