アーヘン工科大学とザールラント大学による研究チームは、細くて柔軟な形状記憶合金スプリングを使用して肌に直接触覚を生成するインターフェース「Springlets」を発表しました。
論文:Springlets: Expressive, Flexible and Silent On-Skin Tactile Interfaces
著者:Nur Al-huda Hamdan, Adrian Wagner, Simon Voelker, Jürgen Steimle, Jan Borchers
所属:RWTH Aachen University, Saarland University
本論文は、形状記憶合金スプリングを用いて、ステッカーのように肌に貼り付ける形式で密着させ6種類の触覚を再現するインターフェースを提案します。
本提案手法は、ステッカーに形状記憶合金のバネを埋め込み使用します。バネは、電流を流すと筋肉のように収縮し、滑らかで力強く静かな動きを生み出します。振動ではなくバネを使用した無音の出力が特徴です。
この原理を利用して、実験では6種類の触覚(つまむ、伸縮、押す、引き、ドラッグ、拡張)を再現し、ユーザが座っているときと歩いているときの6つの身体の位置(手首、上腕、肩、首、胸、背中)での知覚性、識別性、装着性を評価し報告しました。
最後に、本提案手法を用いたアプリケーション例を紹介します。耳の上のメッセンジャー、背中でガイドインターフェース、胸の上で呼吸コーディネーター、そして肩でリュックを背負っているようなバーチャルリアリティバックパックなどです。デモ動画で確認することができます。
Nur Al-huda Hamdan, Adrian Wagner, Simon Voelker, Jürgen Steimle, Jan Borchers. 2019. Springlets: Expressive, Flexible and Silent On- Skin Tactile Interfaces. In CHI Conference on Human Factors in Computing Systems Proceedings (CHI 2019), May 4–9, 2019, Glasgow, Scotland UK. ACM, New York, NY, USA, 14 pages. https://doi.org/10.1145/3290605.3300718