東京大学、クッション型装置で呼吸の体感を上書きし呼吸リズムを制御することでリラックス感を誘発させるシステム「Relaxushion」を発表

東京大学の研究者らは、体感を上書きしてリラックスのための呼吸リズムを制御するクッションタイプのシステム「Relaxushion」を発表しました。

論文:Relaxushion: Controlling the Rhythm of Breathing for Relaxation by Overwriting Somatic Sensation
著者:Yuki Ban, Hiroyuki Karasawa, Rui Fukui, Shin ’ichi Warisawa

本論文は、呼吸リズムをコントロールすることでリラックス感を誘発させる伸縮可能なクッション型装置を提案します。生物の持つ「呼吸の引き込み現象」に注目して、クッションの伸縮から、ユーザの呼吸リズムを制御、ひいてはリラックス感の誘発を狙っています。

クッション装置のサイズは、20x40x40cm(内部デバイスのサイズは12x20x20cm)、重量は1.2kgです。ユーザの呼吸を測定するために加速度センサも整備されており、バッテリも内蔵しているため、スタンドアロンとして機能します。伸縮は、外部デバイスによる空気注入ではなく、機械的構造を使用して膨張と収縮の動作を提供します。

ユーザは、クッション型装置をお腹の上に置くように抱きかかえ使用します。効果を評価するために、5人の参加者に2種類の呼吸テンポ、7呼吸/分、15呼吸/分を提示するユーザ調査を実施しました。すべての参加者の呼吸リズムが、自然にデバイスの動きに合わせて調整され、アンケート中にはクッションの動きと呼吸の動きとを混同しているとのコメントもありました。このことから、呼吸の体感を上書きすることによって呼吸を制御できることを実証しました。

デモ映像では、本システムを用いて作成したタブレットで呼吸の深さ、頻度、呼気と吸気の割合を設定できるアプリケーションを実証する様子を確認することができます。

 

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