東京大学の石川妹尾研究室の研究者らは、小型ダイナミックプロジェクションマッピングシステム「ポータブルるみぺん」を発表しました。
本システムは、手持ちサイズでありながら、1,000fpsの高速撮像、高速画像処理、3msの高速応答を実現し、対象に合わせて投影することを可能にします。
同研究室が、以前から研究している高速に動くボールなど(動的対象)に対し、追従し投影ができる技術「るみぺん2」等に加えて、ソニーと共同開発したビジョンチップを組み合わせることで、ポータブルシステムによるダイナミックプロジェクションマッピングを実現します。
このビジョンチップは、高速撮像と並列演算を用いた高速画像処理を同チップ上で行うことができ、高速性と可搬性を両立したビジョンシステムの構築を可能にします。
これら対象の高速計測にビジョンチップを利用したこと、そして、映像の投影に二軸のミラーを用いた高速視線制御ユニットを用いたことで、システム全体の遅延を最小化しつつ小型化を実現し、対象を追従した投影を実現しました。
デモ映像では、応用したアプリケーションが複数紹介されており、手を追従しハンドインターフェースとして機能しているもの、顔を捉えて目の周辺をデザインしているもの、周辺環境をスキャンし、ユーザーの注意を検出した高速移動対象に向けさせているもの、手指を追跡しハンズフリーのポインティングに活用しているもの、などを確認することができます。