筑波大学ら、網膜に画像を直接投影することで、現実空間と仮想オブジェクトの調和を実現する透過型ミラーデバイスを用いたレーザ投影システムを発表

筑波大学とPixie Dust Technologiesの研究者らは、現実空間と仮想オブジェクトの調和を実現する網膜投影システムを発表しました。

論文:Make your own Retinal Projector: Retinal Near-Eye Displays via Metamaterials
著者:落合陽一,大峠和基,伊藤優太,今井翔輝,高澤和希,大曽根宏幸,森 篤史,鈴木一平
Yoichi Ochiai, Kazuki Otao, Yuta Itoh, Shouki Imai, Kazuki Takazawa, Hiroyuki Osone, Atsushi Mori, Ippei Suzuki

本稿は、レーザプロジェクタと集束光学系としてTMD(透過型ミラーデバイス/Transmissive Mirror Device)を使用し、網膜上に直接画像をレンダリングするアプローチを提案します。

本提案手法は、LCOS-SLM型レーザプロジェクターSLM型レーザプロジェクタ(訂正:2018.6.22)を光源に、TMDで離散的に光源を分割し、眼球レンズの位置で離散点光源として再収束させることで網膜に投影します。(引用:落合,2018また、ビームスプリッタを用いることで、現実とデジタルの融合を実現します。


(a)レーザプロジェクタの概要。(b)TMDを用いた手法。(c)(d)TMDとハーフミラーによるシースルー形式の手法

TMDは、マイクロミラーで構成されているため、色収差や歪みは発生せず、低エネルギで常に焦点が合った投影を可能にします。

投影システムの解像度は1280×720ピクセル、輝度は100ルーメン。プロジェクタの水平視野角は38°で、垂直視野角は22°です。(全てが仕様通りであれば、網膜ディスプレイの視野角と一致する角度です。)

ハードウェアの概要。(a)TMDとレーザプロジェクタによる非シースループロトタイプ(b)TMDとレーザプロジェクタに加えてビームスプリッタを用いたプロトタイプ

これらのことで、網膜上に画像を直接投影することができ、ユーザは現実空間に調和する仮想オブジェクトを体験することが可能となります。

 

アーカイブ

ページ上部へ戻る