東工大、全天周映像を投影する両面(表裏)表示可能な、おわん型(半球)全周囲ディスプレイを発表

東京工業大学 情報理工学院の研究者らは、全天周映像を投影する両面表示可能な半透明半球型全周囲ディスプレイ「ボウルディスプレイ」を発表しました。

論文:ボウルディスプレイ:半球型全周囲ディスプレイ
著者:宮藤 詩緒, 豊原 宗一郎, 佐藤 俊樹, 小池 英樹

本論文は、全天周映像を見るための、表裏の両面表示が可能なおわん型(半球)全周囲ディスプレイ提案します。

プロトタイプは、直径15cmの半球アクリルドームを白で薄く塗装することで映像を背面投影可能なおわん型スクリーンにし、その下部に2台の小型プロジェクタを配置することで、間に挟んだ透明アクリル板を通して映像を投影します。

これにより、以下のような見方が可能になります。

  • 上から覗くことで、撮影地点を中心とした正距方位図法での俯瞰観察
  • 斜め上から角度を付け、おわんの内側を覗くことで、前方の映像を一人称視点で観察
  • おわんの内側と外側を同時に覗くことで、撮影地点を斜め後ろから見ているような擬似三人称視点での観察

論文では、全天周カメラを搭載したドローンとテレプゼンスロボットの遠隔操縦を行う2種のアプリケーションを実行しました。どちらも、ロボットからの一人称視点映像を本プロトタイプで確認しながら操縦します。本プロトタイプを使用することで、本来死角となる後ろ付近の映像も同時に見ることができ、周囲の状況に気を配りながら操作することが可能になります。

今後の課題として、おわん型スクリーンを直接手に取り、手の上で回転させながら閲覧する可能性を追求したいとしています。

 

アーカイブ

ページ上部へ戻る