Dwango CG Research、北海道大学、和歌山大学、広島修道大学の研究者らは、1台のUVプリンタを使用して、見る方向によって異なる画像を生成する反射板の作成手法を発表しました。
論文:Fabricating Reflectors for Displaying Multiple Images
著者:KAISEI SAKURAI,YOSHINORI DOBASHI,KEI IWASAKI,TOMOYUKI NISHITA
(a)異なるオブジェクトに印刷された反射板の例。(b)インク層と隆起部分の印刷パターン構造。(c)印刷された模様の拡大図
本稿は、1台の標準的なUVプリンタを用いて、見る角度によって異なるカラー画像を3枚以上表示する反射板(反射を制御したシート)の作成手法を提案します。
本提案手法は、UVプリンタを用いて、インク層と隆起部分であるSRS(structured raised stripes)を印刷することによって再現されます。反射方向を決定するSRS構造は、目的関数を最小化することによって計算します。
作成した反射板は、今までにはできなかった3枚以上の表示や、印刷におけるゴーストの排除を可能にしながら、特定の2Dカラー画像を任意の材料上にレンダリングすることを可能にします。
また、レンチキュラーレンズやライトフィールドディスプレイなどの他の機器を追加することなく、一般的なUVプリンタで作成することができます。
(a)反射板の周りに鏡を置き、適切な位置からそれらを見ることで、印刷されたシートが1枚しかないにもかかわらず、ユーザは鏡内の異なる画像を見ることができる。 (b)は4つの異なる方向から見た同じ反射板。
UVプリンタは、紙、プラスチック、金属など様々な種類の材料に印刷することができ、また、曲面に印刷することもできるため、本提案手法を用いて、手紙、名刺、封筒、ポスター、曲がったプラスチックケースなどに印刷することを可能にします。