Disney Research、MIT Media Lab、カーネギーメロン大学の研究者らは、VRにおける接触時の触覚を上半身に伝える空気圧式エアバッグを備えた着用型触覚システム「Force Jacket」を発表しました。
論文：Force Jacket: Pneumatically-Actuated Jacket for Embodied Haptic Experiences
著者：Alexandra Delazio, Ken Nakagaki, Roberta Klatzky, Scott E. Hudson, Jill Fain Lehman, Alanson Sample
本稿は、膨張可能な26個の空気圧式エアバッグを備えたVR向け触覚フィードバックジャケットを提案します。腕や胴体に配置された26個のエアバックは、それぞれが独立して膨張、収縮、振動し、VRと連動して目標の力を提供します。
エアバッグは、チューブを介してエアコンプレッサに接続され、3台のTeensy 3.6マイクロコントローラによって制御されます。ジャケットの重さは、約5ポンド（約2.2キログラム）です。
これらにより、VRで体験するパンチやハグ、ヘビが絡まる感触などを触覚ベースで与えることができます。
14種類の触覚効果を実験
また、本システムを用いて14種類の触覚効果を実験し、評価した内容も報告しました。
上図は、実験した6つのカテゴリと14種類の効果を表したものです。上から、
- パルス（ドキドキ状態の心臓の鼓動/落ち着いている時の心臓の鼓動）
- エンクロージャ（子供とのハグ/大人とのハグ/筋肉増強）
- レイン（ゆるい雨/激しい雨）
- ストライク（雪玉が胸に当たる感触/パンチ/肩に手をタップされる感触）
- トラベル（背中にスライムが滴り落ちる感触/体の周りに蛇が這い回る感触/虫が腕に這い上がってる感触）
- モータ（オートバイの振動）
これらを被験者に評価してもらいます。
結果、高い評価では、オートバイの振動と蛇が体にからむ感触が示され、一方で、パンチやタッチ、雪玉が当たる感触は低い評価が示されました。