ワシントン大学、バッテリ不要の軽量スマートグラスでHDビデオストリーミングを可能にするシステム発表。スマートフォンからの無線電力供給で実現

ワシントン大学の研究者らは、近くにあるモバイルデバイス(スマートフォン等)を用いてワイヤレス電力供給することで、バッテリ不要のカメラ付きメガネ型ウェアラブルデバイス(スマートグラス)からHDビデオストリーミングを可能にするシステムを発表しました。

論文:Towards Battery-Free HD Video Streaming
著者:Saman Naderiparizi, Mehrdad Hessar, Vamsi Talla, Shyam Gollakota, Joshua R. Smith

一部で軽量なスマートグラスで高解像度のビデオストリーミングを可能にすることが求められていますが、一方で、ビデオストリーミングを実現するにはバッテリや熱問題、さらに電力を消費する通信および処理装置が必要となるためデバイスのユーザビリティにトレードオフが生じます。

本稿では、そんなトレードオフを解決するため、ポケットに入れたスマートフォンから無線で電力供給し、データを受信するやり取りで軽量なスマートグラスからHDビデオストリーミングを可能にするシステムを提案します。

結果、720pのHDビデオを10fpsで最大16フィート(スマートフォンとスマートグラスの距離)でストリームします。また、この実績は、30fps 1080pビデオストリーミングを最大8フィートで有効にするのに十分なエネルギを得ていることも示しました。

独自のアルゴリズムで圧縮、0.98 MHzと2.8 MHzの帯域幅しか使用していないため、既存のアプローチよりも1,000倍〜10,000倍少ない消費電力(250uW)でHDビデオストリーミングを実現します。

これらにより、カメラを備えたメガネ型ウェアラブルデバイスをバッテリ不要にし、有線で繋ぐことなくHDビデオストリーミングを可能にします。デモ動画では、実際にキャプチャされた映像を確認することができます。

 

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