オタゴ大学ら、光学シースルーHMDを用いて色覚異常者を補助するメガネ型デバイス「ChromaGlasses」発表

オタゴ大学、東京工業大学、理化学研究所、慶應義塾大学の研究者らは、光学シースルーHMDを使用して色覚異常者を補助するメガネ型デバイス「ChromaGlasses」を発表しました。

論文:ChromaGlasses: Computational Glasses for CompensatingColour Blindness
著者:Tobias Langlotz, Jonathan Sutton, Stefanie Zollmann, Yuta Itoh, Holger Regenbrecht

例えば、上図の「74」という数字、赤緑色覚異常を患っている人は「21」に見える傾向があります。本稿は、そのような正常な色覚を持っていない方を光学シースルーHMDを用いて補助するアプローチを提案します。

提案手法では、ユーザが見る環境を感知し、環境中の重要な特徴(ユーザが区別できない色)を識別し検出、そして検出した重要な特徴に応じてHMDによってピクセル精度で色を補正することにより、色覚異常をリアルタイムに緩和させます。


(HMDにEpson BT-300を使用した両目用のプロトタイプ)

上図のプロトタイプの概要を見ると分かるように、ビームスプリッタを用いてカメラから環境を捉えます。そして、カメラ、ユーザの目、ディスプレイ間のキャリブレーションを適用し、正確なマッピングを作成します。

このことで、ユーザはオーバーレイした情報をもとに色覚異常を緩和することができ、また、本稿では色覚異常の補正としての有効性を報告しました。今後の課題として、ハードウェアの小型化、異なる照明条件、輻輳距離と焦点距離の不整合、マーカの逸脱などが挙げらています。

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