KAIST、人がどんな気分や設定(コンテキスト)で歩いているかなどをモーションスタイルから定量的に解釈し知覚(ラベリング)する研究を発表

KAISTによる研究チームは、人がどんな気分や設定で歩いているかなどをモーションスタイルから定量的に解釈し知覚する研究を発表しました。

論文:Perceptual Characteristics by Motion Style Category

著者:Hye Ji Kim and Sung-Hee Lee
所属:Korea Advanced Institute of Science and Technology

モーションスタイルは、キャラクタの気分や設定などのコンテキストを示すため、動作の特性を定義する上で重要ですが、モーションスタイルの認識と解釈はどちらかといえば主観的で人によって大きく異なる場合もあります。そこで本論文では、モーションスタイルを外部カテゴリと内部カテゴリに分類し、そしてモーションスタイルカテゴリに従って動きとテキスト記述間の意味的距離を推定し解釈を定量化したり、モーションスタイルとテキストの承認スコアを評価しました。

まず、100通りの歩き方をデータセットにした「100 Ways to Walk by Kevin Parry」を、演劇理論スタニスラフスキー・システムに従って6つのカテゴリに分類します。外部カテゴリとして、キャラクタ(CHAR)、性格(PER)、感情(EMO)、内部カテゴリとして、行動(ACT)、客観的(OBJ)、動機づけ(MOT)、これら6つのグループは、キャラクタのアイデンティティと行動を構築するために必要とされます。

 

続けて、ユーザ調査としてこれらデータセットのビデオクリップを観察してもらい、各ビデオクリップに対しての説明文を書いてもらいます。正確に評価するため、顔やテキストラベルは隠して体の動きだけを見て判断してもらいます。書いてもらった説明文をword2vecを用いて分析します。word2vecは、テキストデータを解析し、各単語の意味をベクトル表現化するアルゴリズムで、このことで単語上の意味の距離を計算したりできます。意味的距離を推定することで、解釈の多様性を定量的に測定することを可能にします。加えて、モーションスタイルと説明文やラベルが承認できるかを五段階評価でユーザ調査し、承認スコアを計測しました。

これらのことにより、モーションスタイルに対する人間の認識についての理解を深めるだけでなく、モーションスタイルに対して効果的にラベリングすることを可能にします。本論文は、Eurographics 2019のShort Papersにて掲載されます。

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