スタンフォード大学の研究者らは、VRの触覚フィードバックにおける物理オブジェクトと仮想オブジェクトの不一致を最小限に抑える連続的な触覚リターゲッティング技術を発表しました。
論文:A Functional Optimization Based Approach for Continuous 3D Retargeted Touch of Arbitrary, Complex Boundaries in Haptic Virtual Reality
著者:Yiwei Zhao,Sean Follmer
(黄色い手がリアルで、灰色の手がバーチャル。)
本稿は、VR空間の仮想オブジェクトを触った時の感触を感覚的に一致させるために、物理オブジェクトと仮想オブジェクトの不一致を緩和させる触覚リターゲッティングを提案します。
VR空間の触覚において、物理オブジェクトと仮想オブジェクトとの不一致は、ユーザに不快感を与えます。触っているのに、仮想ハンドは仮想オブジェクトから若干ずれていたり。Microsoft Researchでは、触覚の不気味の谷現象と呼んでいたり。
そこで、本提案では、最小の不一致にする事で滑らかな体験をもたらす事を目指します。提案手法では、不一致を緩和させるために空間を歪ませることでリターゲットします。ユーザの手の視覚的表現を置き換えるアプローチです。
物理オブジェクトが、形状、位置、境界において仮想物体と不一致であっても、それらは2つの境界がお互いに一致するという錯覚をリターゲットによって提供します。錯覚させればいいので、物理オブジェクトおよび仮想オブジェクトの形状を一致させる必要はないのが特徴です。