イングランドのブリストル大学の研究者らは、超音波を用いて1.6センチメートル幅の発泡プラスチックボールを浮揚させるアプローチを論文にて発表しました。
論文:Acoustic Virtual Vortices with Tunable Orbital Angular Momentum for Trapping of Mie Particles
著者:Asier Marzo, Mihai Caleap, Bruce W. Drinkwater
音波を使用した物体浮遊は何年も前から研究されているが、定在波音響浮揚にしても、1枚のフェーズドアレイで浮揚させるホログラフィック音響浮揚にしても、空中で物体を保持、回転、移動させることができる一方で、数ミリメートルの小さなサイズの物体しか浮揚させることができないのが現状です。
本稿では、波長より大きな物体である1.6センチメートル幅の発泡プラスチック物体を音響浮揚させるアプローチを提案します。192個のスピーカからなるフェーズドアレイを使用し、周波数40kHzの超音波で浮揚させます。
提案手法としては、渦巻き状の音波のねじれ方向を変化させることで、反対の力でバランスをとり中心地のオブジェクトを捕捉します。これにより、波長よりも大きな物体を回転させないように安定させ浮揚させることを可能にしました。
波長より大きな物体を音響浮揚させた事例としては、こちらもあります。
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