MIT(マサチューセッツ工科大学)のエンジニアは、歩行者を観察しながらその歩調に合わせ人を回避しながら走行するソーシャルドライブができる自律型ロボットを開発、論文を公開しました。
Socially Aware Motion Planning with Deep Reinforcement Learning(PDF)
ショッピングモール、空港、病院などの大規模で混雑した空間(群衆)でも人を検知し、避けながら目的地へ走行することを目標としており、テスト走行では、車輪付きロボットが衝突を回避しながら走行することに成功しました。
ロボットには、ウェブカメラ、深度センサー、光を用いて対象までの距離やその対象の性質を分析するLIDARセンサーなどが装備されています。
センサーを使用して、自分がどこにいるのか(ローカリゼーション)、リアルタイムによる周囲の認識、目的地までのモーションプランニング、物理的に希望の経路を実行する制御、これらを実行し動作させます。
その中でも、本チームが重点を置いたのは、モーションプランニング(運動計画)です。予測不可能な歩行者の行動に対して、それらを予測し最適な回避ルートを決定しなければいけないというところです。
解決策として、環境内のオブジェクトの速度と軌道を考慮して、特定の経路をとるようにロボットを訓練することで可能にします。
トレーニングには、コンピュータ・シミュレーションによる強化学習ベースの機械学習が実行され、それには社会規範も取り入れ訓練されます。
このことで、現実世界で同様のシナリオを認識したときに、シミュレーションで特定された最適な経路を実行することができると。
そして、ロボットが現実世界の環境を評価し、その経路を1/10秒ごとに調整できるようにすることで、再プログラムするために一時停止することなく毎秒1.2メートルの速度で衝突することなく人と共存しながら走行することを可能にしました。