Microsoftが出願中のARヘッドセットにおけるオブジェクトの追跡に関する特許「OBJECT TRACKING」が公開されました。
同社開発のHoloLensのような頭部装着型シースルー表示装置を使用して、環境内にある鍵や財布、スマートフォンといった日常において無生物の移動可能なオブジェクト(重要度の高い物体/指定した物体)を識別・記録・追跡することなどを可能とし、格納したデータを元に様々なアラートで補助してくれる特許です。
活用例として、鍵がいつもある場所にないシーンで警告アラート(探す場所リスト)で知らせ補助してくれたり。
例えば、最新情報として牛乳パックが冷蔵庫にないという状況が記録されていると、スーパー等で乳製品セクションを閲覧した際、リマインダーでビジュアルオーバーレイ等で知らせてくれたり、などといった格納したオブジェクト情報を元に様々なタイプのアラートで日常におけるユーザーの時間喪失を助けることを目的とした技術です。
ただし、これらは前提としてHoloLensを日常的に/常に装着する状態が必要であり、現在のバッテリーでは実現は難しく未来に向けての特許と思われます。一方で、実現段階に入れば、同社開発のインテリジェントパーソナルアシスタント「Cortana(コルタナ)」との連携で、格納されたオブジェクトデータをベースとした強化環境が整うと推測されます。
重要度の高い物体だけを格納
環境内の無生物の移動可能なオブジェクトを記録しますが、その中でも重要度スコアが高いオブジェクトだけを識別し格納します。
重要度スコアは、ユーザーとの相互作用に関する位置、時間、行動、他の要因に基づいて決定されます。食事をしたり、シャワーを浴びたり、車を運転したりといったユーザーの日常的な行動パターンが観察され予測されます。また、この重要度スコアは、場所や時間などといったコンテキスト情報を調整しユーザーで定義することも可能としています。
もちろん、ユーザーが指定したオブジェクトをピンポイントで格納することも可能で、指定オブジェクトの時間制約および/または位置制約を設定することも可能としています。
オブジェクトデータを共有できる
追跡するオブジェクトをローカルに格納する他に、リモートサービスにも格納することが可能で、オブジェクトメタデータをユーザー間で共有することもでき、それによる活用も期待されます。
また、特許内ではいくつか使用例が提示されていますが、あくまでも例であり限定的ではないこと述べていました。活用方法として、高いポテンシャルを秘めているという事とも捉えることができます。
特許閲覧はこちら。
関連として、先日HoloLensの視野を広げる同社による特許も出願公開されていました。(過去記事参照)