米ニューヨーク州コーネル大学Robert Shepherd助教率いる「Organic Robotics Lab」は、ソフトタッチが可能なロボットハンド「Gentle Bot」を論文にて公開しました。
タイトル:Optoelectronically innervated soft prosthetic hand via stretchable optical waveguides
Gentle Botは、人間の触覚を模倣するように設計されており、繊細なものに触れるだけでなく接触するモノの形や質感も感じることができます。
形状とテクスチャに加えて、オブジェクトの柔らかさも検出します。3つのトマトのうち最も熟しているものを決定することさえでき、その実験映像も公開されています。
指には、LEDなど含む伸縮可能な光導波管センサーを内蔵しており、その光導波路によって光の変化を感知します。外側には、人間の手の形を模倣するように、3Dプリンタで作成された手のひらに空気圧で作動する指型バルーンが取り付けられています。
Gentle Botの活用としては、トマトの実験のように工場での識別やデリケートな製品を扱う製造業の産業ロボットとして使用したり、改良を積み重ねれば脳や筋肉からの信号で動かす義手として使用したりの可能性も秘めています。
また、VRにおいても現実感を増幅させるアイテムとしての活用も考えられます。VRの一つの方向性としてリアリティの追求があります。不気味の谷を超える本物レベルのアバター、人と見分けがつかないAIによるコミュニケート、そして今回に見る人肌のような触覚を可能にするロボット、これらが組み合わさりVRで構築されれば、生きてる生身の人間がいなくても「充足感が高い孤独の緩和」に繋がるのではと考えられます。
「触覚とVR」で言えば、電通大の梶本准教授による模擬授業が参考になるかもしれません。(過去記事参照)