360°VR実写映像を10K解像度のストリーミング再生で提供するクラウドベースのプラットフォーム「SPIN」

シアトルに本社を置くクラウドベースのVRビデオカンパニー「Pixvana」は、360°映像をアップロードから任意のVRヘッドセットへ最大10K解像度のストリーミング再生で提供するクラウドベースのプラットフォーム「SPIN」を発表しました。

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(赤が既存、青がSPIN)

360°ストリーミングだと低画質になる問題

360°映像をWeb上で提供する場合、ダウンロードかストリーミングが考えられます。後者のデータを読み込みながら同時に再生するストリーミング方式だと、360°映像はとりわけファイル容量が大きいため低画質になる問題が発生します。それを独自のカスタムエンコード技術を使って解決したのがSPINです。

SPINは、3つの手順で機能します。アップロード、コンテンツ管理や共有などコントロールする「SPIN Publisher」、そして視聴者が任意のヘッドセット(Gear VR、HTC Vive、Google Daydream、Oculus Rift等)などで高解像で閲覧できる「SPIN Player」です。

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コア技術のFOVASとは

SPINが360°映像をストリーミングで高画質配信できるのは、独自のカスタムエンコード技術を採用しているからです。その技術をField Of View Adaptive Streaming (FOVAS)と呼んでおり、視聴者の動きを追跡し見えてる箇所に焦点を当てて提供するというもので、最大50万メガピクセルの解像度を実現すると言います。

余分なピクセルと歪みが発生する従来の正方形で球体を投影するキューブマップではなく、台形の立体(錐台)で投影します。その上でユーザーが見えてる箇所、ビューポート(表示領域)だけに焦点を当てて投影する、頭部の追跡により切り替わるシステムを用いています。

このことにより、配信されるデータを70%カットし、余分なピクセルや帯域幅を減少させ、高解像度の360°映像を提供することを実現します。以下の映像が図解でわかりやすいかと思います。

 

以下の映像は、SPINによる10Kの360°映像を30個のタイルでエンコードしたものを可視化した映像です。

 

リリースはまだですが、先行して現地時間2016年10月8日よりSteamにSPIN Playerのテクノロジープレビューが公開されます。そして、SPINベータ版リリースの情報を得たい場合は、こちらのSPINページからアドレス登録することができます。

以下のビデオも図解による説明ですので、参考になるかと思います。

 

資金調達

ちなみに、同社はすでに2015年12月に600万ドルの資金を調達しています。Apple、Adobe、Microsoft、Lucasfilmなどの元社員で結成されたこともあり注目されています。

Facebookの新技術に類似?

今回のFOVAS技術は、Facebookの新技術「Dynamic Streaming」に似ているようにも思えます。過去記事にもしていますので、よろしかったら合わせて読んでみてください。

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