英国の裁判所で犯罪現場を再構築するためにVR技術を使うことがBBCによって報じられました。陪審員に対してVR技術を使って犯罪シーンを提示するプロジェクトを実験します。
プロジェクトは、英国大学「Staffordshire University(スタッフォードシャー大学)」によって行われ、すでに欧州委員会の研究助成金として140,000ポンド(約2,200万円)が助成されています。陪審員は、HMDを装着し犯罪現場を見ながら法定弁護人によって案内されることになります。HMDは、HTC Viveが使用され、構築にはブルーバック(クロマキー合成)、ゲームエンジンが用いられます。Viveコントローラーでの移動も可能。
指揮をとるForensics准教授、Sturdy Colls博士によると、今回のプロジェクトの目的は、陪審員がこれまで以上に犯罪のより良い理解を得るのを助けるために「最善の解決策」を作成し刑事司法制度を支援する事としています。ヨーロッパでは、最初のプロジェクトであるとも述べます。地元警察は、VRヘッドセットが700ポンド(約11万円)と手頃な価格であることを強調します。法務省のスポークスマンも、コストを削減し、正義にアクセスしやすくなると述べます。
一方で、地元弁護士は今回の技術について懐疑的だと言います。最近の裁判所へのデジタルシステム導入は、著しい遅延を引き起こしているからです。
以下の映像は、本記事とは関係ないですが、実際の記録を元に作成された犯罪VRシーンです。