Samsungは、VR向け4Dヘッドフォン「Entrim 4D」をSXSW 2016で披露することを発表しました。以前、Gear VR向けのハンドモーションコントローラー「rink」を開発したSamsungの社内インキュベーター「Creative Lab(C-Lab)」からのデバイスです。
VR映像で変化する動きと身体のバランスシステムを同期させることで、ユーザーは画面上のアクションの一部であるかのように感じ、さらには動きの方向と速度を感知することができると言います。基本技術は、「Galvanic vestibular stimulation GVS(ガルバニック前庭刺激)」と呼ばれるもので、耳の前庭に電気信号を送信し平衡感覚を刺激することでそれらを可能にします。ヘッドフォンから臨場感ある3Dサウンドを提供するのではなく、内耳に存在し重力と直線加速度を司る感覚器官「前庭」に電気を与えることで脳を騙し耳から動きを提供することに挑戦しています。
Entrim 4Dチームは、最高のVR体験を確保するため生物医学工学の専門家などを取り入れ1500人以上の実験を実施、30種類の動きのパターンを開発したとしています。安全であることも主張していますが、当然ながら吐き気、めまい、頭痛を引き起こす可能性はあるとし、ただ一方で当デバイスがVR酔いソリューションとしての一助になることも期待しているとしています。さらに、回転運動の感覚を作成するために追加の電極を使用するバージョンにも取り組んでいるとのことです。