プリレンダCGとリアルタイムCGを組み合わせたVR映像技術「PresenZ」のアップグレード映像が公開されました。それによると、彼らが呼んでいる「Deep Reflections」というレンダリングソリューションを取り入れることで反射が以前よりも現実的に描画できるようになったというものです。具体的には、オブジェクトの反射に視差による奥行きを取り入れたとしています。
PresenZとは、映画やCMなどにVFXを提供しているベルギーベースのプロ集団スタジオNozonが開発中のVR映像技術です。PresenZを使用して描画されるコンピュータグラフィックスは、秀麗で視差による奥行き含む実写級のVR映像を可能にします。それは、映画プロモーションやCMなどで採用されている「ゲーム感のないCG」高品質なプリレンダCGを採用し実現します。それをポジショナルトラッキングに対応させたのがPresenZの画期的なところで、頭の位置を動かしても途切れることなく描画されます。
さて、VRが広く普及するにはデバイスの軽量化やワイヤレス化などありますが、コンテンツ面では「実写」というのが1つのキーワードになるのではないかと思われます。実在感・臨場感という意味でも、ゲーム感のあるCGより実写の方が自然だからです。
昨今、360°カメラが沢山登場していますが、奥行きある高品質な360°立体視映像が撮れる消費者向けカメラは存在しません。業務用でもLytroの360°3DライトフィールドVRカメラ「Lytro Immerge」くらいでしょうか。これは実際に撮影した実写の360°映像内(VR内)を少し歩き回れるを可能にするカメラです。その分、膨大な情報を取得するので専用サーバーがセットされているなどあります。
一方で、CGの実写級も考えた場合、ゲームエンジンのリアルタイムCGの向上も素晴らしいですが、今回の高品質なプリレンダCGをVR対応させたPresenZ的アプローチも期待できるのではないかと思われます。