ロンドンベースの大学「University College London(UCL)」とバルセロナベースのICREA大学は、VR療法がうつ病患者に軽減効果があることを研究で発見し報告しました。患者が患者自身に「思いやり」を間接的に与える実験で効果を得られたと言います。
患者は、VRヘッドセットとマーカー付きのボディスーツを装着し、大人のアバターとしてVR内で椅子に座ります。目の前には、悩んで泣いてる子供がいて斜め横には大きな鏡が置いてあり自身のアバターを映し出しています。この状況で、患者は子供の悩みを聞いて泣きやますというミッションを実行します。子供を慰めていると、泣きやんできます。さらに、自分の言葉で効果が現れてくると、患者は慰めに積極的になり、その様子は鏡に映し出され自分の音声・ジェスチャー含め間接的に見ることになります。この8分ほどのシナリオを隔週で3回繰り返し、1ヶ月後まで経過観察します。
物事が自分の生活の中でうまくいかないとき、過度に自己批判することによって不安や抑うつが起こるとして、この研究では、子供を慰め、再度自分の言葉を聞くことによって患者は間接的に自分自身に思いやりを与え、それほど自己批判的でないことを患者に教えることを目的としています。そして、有望な結果を得られたと言います。客観的数値によってではなく患者の証言による結果ですが、現実への対応が変化したと証言しています。
個体差はあると思いますが、もし実際にやってみて効果があった場合、このVRシステムは低コストで構築できることも主張しています。