スポーツに技術をもたらす有望なスタートアップを見つけるため、米TechCrunch、スタンフォード経営大学院、NFLとがコラボレーションして「The 1st And Future Sports Startup Contest」というコンテストを開催しました。その中で、ホームカテゴリに勝利したVRチームがいます。「LiveLike」というスポーツ観戦VRプラットフォームを提供するVRチームです。ライブスポーツを複数の角度からインタラクティブに切り替えて観戦できることが特徴のサービスです。
サッカーやアイスホッケーなどのスポーツを360°映像で見る形式ではなく、360°のVRゲーム内にある平面モニターで閲覧する形式なのですが、選手の情報はもちろん、インスタントプレビュー、コート周囲にある複数のカメラ視点をユーザー側でリアルタイムに変更することができます。それに加え、Gear VRなどのVRヘッドセット同士、複数人で視聴できるほか、その他ソーシャルサービスとの連携、ショッピングサイトとの連携なども可能としています。これからのスポーツ観戦でポテンシャルを秘めているLiveLikeですが、今回のコンテストファイナリストに残ったチームに、LiveLikeと相性が良さそうなサービスがありましたので、ピックアップしたいと思います。
「First V1sion」と言い、選手のユニフォーム胸元に小型カメラを設置し選手視点でユーザーが視聴できるというシステムです。胸元のカメラは選手が見える風景を捉え、リアルタイムにフルHDで放送します。スペイン・バロセロナベースの彼らは、これら仕組みを「ウェアラブル放送」とも表現しています。カメラ(胸元)と送信機(背中)は、安全にプレーヤーの制服に織り込まれており、パフォーマンスを妨げないように設計されています。実際に出力されたテスト映像はyoutubeで多数公開されています。それを見ると、選手からの一人称視点映像だけでなくそれに重ねて選手の情報、リアルタイムのBPMや時速が表示されています。すでに、サッカー「レアル・マドリード vs FCバルセロナ」で実践テストもクリアしています。さらに最新のアップロードでは、背中にもカメラを設置してほぼ360°のスティッチした映像も公開されています。First V1sionは、すでに公式サイトでサービスが開始されておりレンタルすることができます。
2つのVRチーム、試合中に視点を自由に切り替えることができるスポーツ観戦VRプラットフォーム「LiveLike」、そして選手視点の映像をウェアラブル放送する「First V1sion」、統合すればなお良いと考えた次第です。VRを通してのスポーツ観戦、まだまだ可能性がありそうです。