スタンフォード大学の研究者は、電気自動車、医療用インプラント、スマートフォンといった移動式の物体をワイヤレス充電できる技術を開発しました。
例えば、高速道路走行中に自動車を充電したり、屋内を歩き回っているだけでスマートフォンが充電できたりといった近くの動く物体に無線で電力を送ることを可能にしました。
本無線伝送技術は、磁気共鳴伝送をベースとしており、送電コイルと受電コイル間の伝送を可能にします。送電コイルに流れる電流により発生する磁場の振動が同じ周波数で共振する受電コイルに伝わり電流が流れる仕組みです。
しかしながら、これだけでは人に依存せず移動物体に対して電力提供し続けることはできず、そこで送信機の高周波源を取り除き市販の電圧増幅器(アンプ)と抵抗器に置き換えることでそれらを解決します。これにより、3フィート(約0.9メートル)の範囲で受電コイルの向きが変わっても人の干渉なく連続的にチューニングし伝送することを可能にしました。
自動車の場合、車両の底にあるコイルが、道路に埋め込まれた電流に接続された一連のコイルから電力を受け取り充電を可能にします。
また、本ワイヤレス技術は、ドライバーレスの自動車のGPSナビゲーションを支援することもできると述べます。自動運転車の正確な位置や安全性の面でも一助として活用できると。
チームは現在、進行形で転送可能な電気量を大幅に増やし、転送距離を延長して効率を改善するシステムを調整しています。
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