東京大学の石川渡辺研究室は、2つの投影技術を組み合わせた完璧な「Dynamic Projection Mapping:DPM(ダイナミックプロジェクションマッピング)」を近い将来実現すると発表しました。
ダイナミックプロジェクションマッピングとは?
非剛体(複雑に変形する物体)に対して、その物体が激しく変形しても追従し投影する技術です。Tシャツがなびいてもぴったり張り付いて投影されているデモ映像は、去年一部で話題になりました。
これは、高フレームレートかつ低遅延で投影するプロジェクタ「DynaFlash(最大1,000fpsで投影)」と、非剛体の変形を追跡する「Deformable Dot Cluster Marker」を組み合わせて実現した技術で、まさに映像がTシャツに貼り付いてるかのように投影されます。
るみぺん2
同研究室は、去年発表したダイナミックプロジェクションマッピングを完璧なものにするため、さらなる取り組みとして「るみぺん2」と呼ぶ投影技術をハイブリッドさせることで実現を目指します。
「るみぺん2」とは、同研究室が2015年に発表した技術で、高速に動くボールなど(動的対象)に対し追従し投影ができるテクノロジーです。
「Deformable Dot Cluster Marker」はマーカーを対象表面に印字することで非剛体変形トラッキングを実現している一方で、「るみぺん2」は、「サッカードミラー(駆動鏡面を用いた高速視線制御光学系 )」を使ってレンズを高速に動かし追従させることでボールなどの動的オブジェクトを捉えることを実現します。
「サッカードミラー」は、2軸のガルバノミラーと瞳転送系と呼ばれるレンズ群から構成され、ミラーサイズを小さく、かつ2枚にすることで画角を上げることで40°の範囲で動的オブジェクトを捉えることを可能にします。
近い将来、完璧なダイナミックプロジェクションマッピングを実現する
まとめると、同研究室は、高速プロジェクタの「DynaFlash」と、物体を高速で追従する「るみぺん2」を組み合わせることで、完璧なダイナミックプロジェクションマッピングを実現しようとしているわけです。