世界初の人間頭部移植手術にVRシステムを活用することを発表。術後の心理的負担を軽減させニューボディへ移行させることが目的

イタリアの神経外科医であるDr Sergio Canavero(セルジオ・カナヴェロ医学博士)は、来年行う最初の「human head transplant(人間の頭部移植)」手術にVRシステムを活用することを発表しました。

人間への世界初頭部移植手術

ここでいう頭部移植とは、頭から下が麻痺した患者に対して頭部を体から切断し、新たな人体へ移植後、再び機能させることを目的とする手術です。

人間に対しては世界初で、2017年末には決行する発表もされており、患者もすでに決まっています。患者は、ロシア人プログラマーでありウェルドニッヒ・ホフマン(Werdnig-Hoffmann)という筋肉や脊髄神経が次第に委縮していく難病で幼少期から車椅子生活の「Valery Spiridonov(ヴァレリー・スピリドノフ)氏」です。

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(画像:来年にスピリドノフ氏の頭部移植 | ロシアNOW

手術のプロジェクト名は、「Heaven(Head Anastomosis Venture)」と呼ばれています。

VRシステムを活用

頭部移植患者に対して使用されるVRシステムは、全身を支え自分の足でVR内を歩けるVRヘッドセットと連動した歩行デバイスです。イメージ図では、米Virtuxの「Omni」に上からの上半身固定のカスタマイズをしたような感じで、ヘッドセットとコントローラにはHTC Viveが使用されています。

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使用目的は、新たな人体を手に入れた時に、予想外の心理的反応の発生を防止するためとしています。術前数ヶ月間活用され、移植が成功した場合の患者への心理的負担を軽減させニューボディへ移行させることを目的とします。

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当デバイスは、米国シカゴベースの「Inventum Bioengineering Technologies」が開発を手がけます。

患者のスピリドノフ氏も当VRシステムに賛同しており、迅速かつ効率的に学びを得るためにVRシミュレーションは極めて重要と述べ、コンピュータ科学者として不可欠な技術であることを確信しているとも述べています。

 

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