Valveは、先日開催した年次開発者カンファレンス「Steam Dev Days」において、コンテンツデリバリネットワーク (CDN) 事業者の「Akamai」とクラウドベースのVRビデオカンパニー「Pixvana」と提携していることを明らかにしました。
Valveは、この提携により1080pの帯域幅で8-10k解像度の360°ビデオ品質を提供することを可能と主張するとともに、高品質な360°ビデオストリーミング・システムの開発を進めます。
Pixvana
今回提携した1つにシアトルに本社を置く「Pixvana」というスタートアップがあります。Apple、Adobe、Microsoft、Lucasfilmなどの元社員で結成されたチームで、すでに2015年12月に600万ドルの資金を調達しています。
Pixvanaは、今月初めに360°映像をアップロードから任意のVRヘッドセットへ最大10K解像度のストリーミング再生で提供するクラウドベースのプラットフォーム「SPIN」を発表し、Steam上にもSPIN Playerのテクノロジープレビューを公開しました。
(赤が既存、青がSPIN)
SPINのコア技術「FOVAS」とは
(過去記事から引用)
SPINが360°映像をストリーミングで高画質配信できるのは、独自のカスタムエンコード技術を採用しているからです。その技術をField Of View Adaptive Streaming (FOVAS)と呼んでおり、視聴者の動きを追跡し見えてる箇所に焦点を当てて提供するというもので、最大50万メガピクセルの解像度を実現すると言います。
余分なピクセルと歪みが発生する従来の正方形で球体を投影するキューブマップではなく、台形の立体(錐台)で投影します。その上でユーザーが見えてる箇所、ビューポート(表示領域)だけに焦点を当てて投影する、頭部の追跡により切り替わるシステムを用いています。
このことにより、配信されるデータを70%カットし、余分なピクセルや帯域幅を減少させ、高解像度の360°映像を提供することを実現します。以下の映像が図解でわかりやすいかと思います。
SPINのページはこちらです。