Oculusの年次イベント「Oculus Connect 3」にて、Facebook CEOの
Mark Zuckerberg氏は、VRヘッドセットとアバターを介して遠隔にいる知人とコミュニケートするリアルタイムソーシャルVR体験のデモを披露しました。
アバター同士は、Facebookの投稿などから2Dと360°画像および動画を一緒に追体験しリアクションを共有したり対話したりをすることができます。以下のGIFでは海底を追体験しています。
そして、コミュニケーションツールとしてゲームなどのオブジェクトツールも楽しむことを可能にします。以下のGIFは、オフィスのライブ映像をバックにトランプをしている様子です。
そして、VR環境同士だけでなく、非VRの人とのコミュニケーションも可能にします。以下は、Facebookメッセンジャーのビデオ通話経由でMark Zuckerberg氏が奥さんのPriscilla Chan氏と通話や自撮りをしている様子です。撮影した写真はその場でFacebookへ投稿できます。
他にも、空中にペイントしてそれを持って使ったり、小窓ベースで動画を取り出して一緒に閲覧したりを披露しました。
アバターの進化
FacebookによるソーシャルVRは、4月に開催したF8でも披露され話題になりましたが、その時に比べ今回のアバターはより進化しています。
全体として表現が大きくなったという印象と共に、頭と手だけでなく、腕と胴体が追加され上半身が表現されています。手を動かすと、腕の動きがゴムのように動作しているのも確認できます。
そして、目のデザインもリアリティを高めるために瞬きを追加、口の動きもより自然なリップシンクシステムを導入しています。また、声も発していない頭や手の動きもない場合、「笑顔」「混乱」「懐疑」「聴く」などの感情表現を設定することができます。
VRとARと現実世界
Oculus含めFacebookは、VRとしてソーシャルが重要だということを示してきたし今回のOC3でも強調されていたように思えます。切り口を少しずらすと、それはVRに現実世界を投影し組み合わせる手法が有力候補に浮上したとも言えます。
昨今、HoloLensやポケモンGOなどのAR/MR分野で現実世界に投影し共存させる手法がイメージとして優勢な一面もありましたが、基調講演の1/4の時間を割いたMichael Abrash氏による5年後の技術的実用可能な予測からも前者である「VR➕現実世界➕ソーシャル」という組み合わせの実現可能性に厚みを加え、現実世界のライブの中でアバターを操作するZuckerberg氏を見て、前者が優勢になったのではないか。
そして、それはサングラスサイズになり誰もが「VR➕現実世界➕ソーシャル」を利用し享受するようになるという示唆が有力候補ではないかと強く感じられるようになった、そんな基調講演でした。