アイトラッキング技術を開発するシリコンバレーベースのスタートアップ「Eyefluence」は、最新の視線によるハンズフリーナビゲーション技術を披露しました。
Eyefluenceは、IntelやMotorolaなどから総額2160万ドルの出資を獲得している注目のスタートアップです。とりわけ、VR/AR/MRヘッドセットに向けたアイトラッキング・ソリューションに力を入れています。
アイ・インタラクション技術
先日開催されたAugmented World Expo(AWE)にて、Founder兼CEOのJim Marggraff氏から最新のアイ・インタラクション技術デモが披露されました。それは、独自のヘッドセットから天気を確認したり、フォトアルバムを見に行ったり、オンラインショッピングをしたり、テキストメッセージでやりとりしたり、など、既存のスマートフォンやPCでやるような操作を視線ベースで行います。(一部音声入力あり)
高速ハンズフリーナビゲーション
そこにはいろんなネイティブアプリが並びます。フォトギャラリーアプリ、天気アプリ、ヘルスアプリ、Eコマースアプリ、メッセージアプリなど。デモでは、それらをスムーズに操作している様子が確認できます。特徴的なのが、まばたきと待機を組み込んでいないことです。ウィンクによる操作、その場に一定以上待機させて意図を伝える操作、それらを必要としていません。視線は脳からの最初の出力機能であると主張していることからも、そういった減速する行為を排除し自然および高速によるユーザーインターフェースに重きを置いています。
バイオメトリックセキュリティ
その人物だと特定する生体認証システムのことで、デモでは瞳孔の虹彩認識によるログインを披露します。虹彩を撮影しその情報を元に個人を特定、ロックしている情報へのアクセス権を得ます。
テキストメッセージ
テキストチャットをします。相手を選択し、音声によるテキスト入力で文章を組み立て視線操作で送信します。キーボードベースで一文字ずつ視線で入力するタイプもありますが、ここでは音声で高速入力しテキストチャットを成立させています。
オンラインショッピング
ヘッドセットにはフロントにカメラが付いており、物体をスキャンすることができます。それを利用し、デモではチョコレートを画像ベースで撮影しています。そして、その流れからAmazonへ接続し購入するという購買フローを視線のみで披露します。
キーテクノロジー
アイトラッキング技術は、今回のようにハンズフリーのユーザーインターフェースであったり、以前から登場している効率的にレンダリングするFoveated renderingであったりと、VR/AR/MR業界においても次なるキーテクノロジーになりつつある技術です。次世代ヘッドセットにデフォルトで搭載している技術としても取り上げられることもあります。現に、米TechCrunchによると、同社はすでに大手HMDメーカーと一緒に取り組んでいるというCEOのコメントを掲載しています。
そして、ユースケースにおいてもゲームやエンターテイメント以外、医療、製造、エネルギー、金融など幅広い分野での活用もイメージしており可能性も大きいと言えます。
今回のデモは、以下の映像後半から確認することができます。Eyefluenceの公式ページはこちら。