個々の頭や耳の形状サイズなど含め両耳に到達するまでの音圧音色時間差などの異なる変化を測定した「頭部伝達関数(HRTF)」に基づいた高臨場感3Dオーディオヘッドフォン「OSSIC X」

「OSSIC X」という没入型3Dオーディオヘッドフォンが、Kickstarterに登場しました。目標額$100,000を設定していますが、二時間半で達成したと言います。価格は、Super Early Birdで199ドル+日本への送料40ドル。小売価格399ドルとなっています。

自然に対話するサウンドを作成するために、ヘッドマッピングおよびヘッドトラッキング技術を活用、それに加えて高度な3Dオーディオ・アルゴリズムを組み合わせることで正確な3Dサウンドを実現するとしています。どんなx,y,z座標になっても適した音をレンダリングすると。一般的なゲーミングヘッドフォンに比べ正確な3Dサウンドを提供できるため、臨場感をもとめるVR空間には最適だとしています。VRは、バイノーラル録音が主流になりつつあるなか、出力側も3Dサウンドを重視したデバイスというのは必然かもしれません。もちろん、VR向けというわけではないので他のデバイスでもご使用できます。

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特徴的なのが、一人ひとり個々に対して最適化して出力するところです。人それぞれ頭部や耳のサイズ、形状、聞いてる場所角度など、そういった個々の異なる特徴を捉えて頭部伝達関数 (HRTF) に基づいているところをアピールポイントとしています。Head-Related Transfer Functionの略であるHRTFとは、NHKの技研だよりでの説明が分かりやすかったので引用します。

頭部伝達関数
人は、両耳に到達する音の時間差や強度差、音色や音の大きさの変化などを聞き分けて音の方向感を知覚しています。この方向による音の変化をあらわしたのが頭部伝達関数*です。頭部伝達関数を使えば、音をどのように制御すれば、聞く人に、ある点から発せられた音だと知覚させることができるか算出できるため、音の空間的な像(=音像)を自由にコントロールすることが可能になります。技研では、この技術を利用して、手軽に高臨場感音響を楽しめるヘッドホンの研究を進めています。

Research & Development

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つまり、ヘッドフォンなして自然音を聞いてると、個々の頭部や耳の形状もさることながら、音の発信源から障害物や空間を通って鼓膜に到達し脳が認識するまでに周波数に応じて音圧レベルが変化します。その相対音圧レベル(dB)を測定し音の角度などを割り出し、より自然に近い正確な音を提供するというわけです。

当デバイスを開発するスタートアップ「OSSIC」は、2014年8月から開発を始め、現在は9世代目のプロトタイプになるとしています。Kickstarterのキャンペーンは、2016年4月22日を終了に出荷を11月に予定しています。例のごとくKickstarterは製品を保証するものではなく、あくまでも投資ですのでリスクを承知で行ってください。募集ページはこちら

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