フランス、Angersの大学病院で、教授であり脳神経外科医Philippe Menei氏と彼のチームは脳の手術でVRヘッドセット(Oculus Rift DK2)を使用しました。医師が手術のシミュレーションとして使うのではなく、手術中に患者へ装着させることに使用します。
患者は男性、50歳、言語と視覚に接続する箇所近くに腫瘍を抱えていました。現地時間の2016年1月27日、腫瘍を除去するため6時間の手術。三週間後の2月16日に患者は健康であることが明らかになり成功。その手術に患者はVRヘッドセットを装着し、開発された視野のテストプログラムを実行しました。手術中、患者に意識はありますが痛みはありません。覚醒手術といって、腫瘍が言語中枢の近くに発生した場合、言語機能を傷つけずに腫瘍を最大限に摘出するため、覚醒した状態で手術をします。視野も一緒で、今回、腫瘍の除去中に視覚機能を損なわないように、VR内でテストプログラムを実行しながら手術を進めていきました。
今回、これまで可能でなかった複雑な視野テストがVRによってできるようになった、正確な位置を特定することができた、さらに、今後は空間認知といったより複雑なテストも可能になるでしょう。とPhilippe Menei氏は述べます。さらに、患者のリラックス効果にも適応できると考え、ビデオゲームの感覚でテストに没頭してもらえれば、特に子供へ恐怖や緊張を和らげることができるのではと説明します。