総額2,160万ドルを資金調達しているVR/ARヘッドセット向けアイトラッキング技術スタートアップ「Eyefluence」網膜スキャンによるバイオメトリック認証や認知症診断などにも

スマートフォンが主流の昨今、これからはメガネ型デバイスへ移行、もしくはスマホ+メガネ型デバイスの併用となっていくのではないかと一部で言われています。Facebook CEO:Mark Zuckerberg氏もメガネ型デバイスに関しては強調していて、Oculusも将来的にはサングラスサイズになると言及しています。何もないところにCGなどを出現させる技術は今のところ出てきていません。プロジェクタやプレートを使って外部から出現させることは可能ですが、モバイルとなるとVRにしてもARにしても、今のところメガネ型デバイスに収斂していくと言われています。

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そうなってくると、問題になるのが新たなインターフェースです。スマホを操作するみたいに指を使ったタップやスワイプという動作では物足りない感がありますので、そこでキーになるのは目線でのコントロールです。アイトラッキング技術企業でいば、スウェーデンベースのTobii、人間の目を追跡する技術に関して20年以上の経験をもつSensomotoric Instruments(SMI)が有名ですが、2013年初頭に設立した米国カルフォルニアベースのアイトラッキング技術を得意とするスタートアップEyefluenceも注目されています。

Eyefluenceは、VRやARなどのアイトラッキング技術に特化したチームで、2015年11月にはシリーズBで1,400万ドルの資金調達に成功している期待のスタートアップでもあります。米国の携帯端末メーカーMotorolaの独立した公開会社Motorola Solutions Inc主導でラウンドがまとめられました。1年前には、シリーズAのラウンドで760万ドルを調達していて、今回のと合わせると総額で2,160万ドル(約24.2億円)を取得したことになります。Eyefluenceは、マウスやタッチのインターフェースをそのままヘッドセットやメガネ型デバイスに転用するのではなく、視線操作によるインターフェースにすべきだと考え、できるだけ多くのヘッドセットやメガネ型デバイスのメーカーと提携し、目に装着するウェアラブルハードウェアの標準的なインターフェースになることが最終目標としています。

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さらに、Eyefluenceは単に目の動きを追跡することだけでなく網膜をスキャンし、バイオメトリックセキュリティ(自動的に企業システムへのログインができるなど)に加えて、医療用途のために使用することができるのではと考えています。例えば、てんかん、脳震盪、アルツハイマー病を診断するために使われたりと、アイトラッキングといってもインターフェース以外にも用途は多数ありそうです。

指操作のように、多様な使い方ができないアイトラッキングにおいて、リアルタイムに遅延を抑えた正確性が追及されるのが目線操作で求められるところです。これからは、今のHMD含めたメガネ型デバイスが主流になっていくかもしれない中で、それに適応した最有力候補インターフェースであるアイトラッキング技術というのはEyefluence含め要チェックのジャンルと言わざる得ないでしょう。リアルタイムの正確性含め今後の展開に期待です。

 

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