水中で離れた場所にある物体を感じることができる触覚フィードバックソナーグローブ「IrukaTact」

水中で離れた場所にあるオブジェクトを感じさせてくれる触覚フィードバックソナーグローブ「IrukaTact」は、筑波大学 グローバル教育院 エンパワーメント情報学プログラム3年次 Chacin Aisen Carolinaさんと1年次 大図 岳さんによって開発された作品です。

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イルカの反響定位(自分が発した音の跳ね返りで物体の位置を特定する能力)からアイディアを得て開発されたIrukaTactは、水中の中で物体の位置を探索することができます。そして、物体に近づくと各指先に内蔵されたマイクロポンプからウォータージェットが噴射され水圧で装着者に触覚を与えます。物体に近づけば近づくほど水圧は上がります。

ソナーとは、水中を伝播する音波を用いて物体を捜索、探知、測距する装置で、魚群を探知したり、潜水艦を探知したりで使用されています。そのソナー技術を応用してデバイスに搭載、物体を探知しジェット噴射で感触を実現させているのです。水中を活かしたウォータージェットというのが新しく、Chacin氏も触覚を伝えるにあたって振動だけではもの足りないと述べています。

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IrukaTactは、MaxBotix社のMB7066ソナーセンサー、3つの小型モーター、Arduino Proによって指に信号を送信するプログラムが組まれていて、ポンプによって周囲の水を集め、人差し指、中指、薬指の3つの指先に水圧を与えます。親指と小指は、バッテリ電力を節約、運動性を改善するために自由にしています。手首に付いたソナーセンサーは、手のひらが向いている方向から情報を読み取ることができる設計になっていて、最高2フィート(約60センチ)の距離から信号を送受信することが可能です。Chacin氏は将来この範囲を拡大することができると述べています。外観パーツは、アルスエレクトロニカと共同で設計されています。

さて、VRとの連動を考えたいところです。VR向けに作られてるわけではないのですが、ジャイロスコープ、加速度センサーを整備しVRヘッドセットと同期することでVR内の触覚フィードバックを可能にする、という可能性は強引かも知れませんがあるのかも知れません。水中コンテンツであれば一石二鳥です。

 

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