オーディオ分野を開発する「Dysonics」は、モーショントラッキングVRヘッドセット用の360°3Dオーディオソリューションを提供しています。
同社は、各方向を向いた8つのマイクから構成されるライブ録音ができるマイクロホンアレイ「RondoMic」を開発していて、これは「バイノーラル録音」という手法を採用しているので、360°立体的な音源収録を可能としています。
バイノーラル録音(バイノーラルろくおん、 英語: Binaural recording)とはステレオ録音方式の一つで、人間の頭部の音響効果を再現するダミー・ヘッドやシミュレータなどを利用して、鼓膜に届く状態で音を記録することで、ステレオ・ヘッドフォンやステレオ・イヤフォン等で聴取すると、あたかもその場に居合わせたかのような臨場感を再現できる、という方式である。
引用:Wikipedia
それに加え、VRヘッドセットなどのヘッドトラッキングを追跡しより近くの音声を大きく、遠くを小さくと奥行き含め立体的な音声をヘッドフォンやイヤフォンから聞くことが出来ます。同社いわく、映像のステッチより音声のステッチの方がより正確に行うことが複雑と言います。すでに、10月30日のイベントAES New York 2015 » 139th AES Conventionではデモが披露されていて、Gear VRを使ってヘッドフォンからの立体音源を連動させています。
さらに、GoPro7台を積んで撮影と共に収録したオーディオも、Oculus Rift DK2を通して連携させることに成功させています。
「Dysonics」は、2012年にカリフォルニア大学デービス校のインキュベーターから出現したスタートアップで、今年初めに航空会社ヴァージン・アメリカと提携し、ヘッドトラッキング付きヘッドフォンの提供もしています。今後、VR業界の成長と共に3Dオーディオ分野も平行して伸びてくると思われますので、まだまだ収録機材が大きいですが、どんどんコンパクトに性能も良くなっていくことでしょう。
(上部の長方形装置が頭の動きを追跡)