オランダの会社「Luxexcel」は、透明なオブジェクト(光学レンズ)を形成できる世界で唯一の3Dプリントサービスを発表しました。
Luxexcelは、研磨研削および印刷後に製品を着色するなどの後処理を必要とせずに、透明な製品を製造することを可能にする3Dプリント技術「Printoptical技術」の特許を取得し、それを使用することで可能にします。
ベルリンベースの3Dプリンタソリューション会社「Trinckle 3D」とも提携し、最近リリースされたサービス「Customizing Cloud Engine」との連携を可能としました。これは、CAD知識や経験がない人でも簡単に任意の3Dモデル(オーダーメイド)を製品にすることができるプラットフォームです。
(光学レンズのオンライン注文プラットフォーム「Lens Creator」)
つまり、カスタマイズ可能な理想の光学レンズを作成することができるという事です。光学レンズの製造方法として、射出成形、ダイヤモンド旋削など高価で時間のかかる工程を通過しなくてはならないため、素人では作れないのが現状でしたが、当サービスはそれを解決する1つといえます。
これらはVR業界にも影響を与えると思われます。VRヘッドマウントディスプレイのレンズに影響してくるからです。もしメーカーが採用すれば、HMD本体の価格も下がるだろうし、カスタマイズ可能なHMDであれば、オリジナルのレンズを独自に作成し改造することも可能となります。
2016年第1四半期に発売予定の米Oculus VRの消費者向けHMD「Rift」でも、Microsoftと提携し開発した独自のレンズユニットで鮮明に映し出すことに成功しています(Riftにデフォルトで装着しているかは不明)。Microsoft Researchが開発したRift用のレンズユニットは、片眼で約200ドル(約2万4000円)し、Oculus Rift DK2にカスタマイズ可能とのことですが、高価なのが難点です。
しかし、このレンズユニットのCADデータは公開されており、凸・凹レンズがそれぞれ2枚ずつで構成されているので難しいかもですが、当サービスを活用すればもしかすると安価に制作できるかも知れません。