ノースウェスタン大学等、機械学習を用いて脳神経メカニズムを解明するアプローチを論文にて公開。脳でコントロールするBCI分野での活用にも貢献

米ノースウェスタン大学と米ペンシルベニア大学の研究者たちは、機械学習技術を使用して脳神経メカニズムを解明するアプローチを論文にて公開しました。

Machine learning for neural decoding(PDF)

今までより脳の仕組みを理解することで、脳でコントロールする「BCI(brain-computer interface)」などのアプリケーションを進歩させるのに役立つとしています。

脳は、指や眼球を動かすたびに、この動きを可能にする情報をニューロン(神経細胞)を介して活動電位の形態で関連する筋肉に信号を送ります。

研究者は、その情報がエンコードすると考えており、どのようにエンコードするのか、このアルゴリズムを理解するのが今回の目的です。

やり方は、海馬、運動皮質、体性感覚皮質におけるスパイク活動から解読するため、ニューラルネットワーク(NN)とGradient Boosting(勾配ブースティング)などを含む機械学習技術を用います。

実験では、猿(マカクザル)を利用してコンピュータマウスをターゲットにカーソルを動かせ、その運動を制御するニューロンの活動を記録、従来のアルゴリズムといくつかの新しい機械学習アルゴリズムにデータを供給し、どのデコーディングアルゴリズムが優秀かを検証します。

カルマンフィルターなどの既存のデコーディングよりも、ニューラルネットワークなどの機械学習アプローチの方が著しく優れた結果を出したと言い、例えば、3つの脳領域のすべてについて、リカレントニューラルネットワークの一種である「Long short-term memory(LSTM)」は、ウィナーフィルターから説明できないvarianceの40%以上を説明したと述べます。

もともと、ニューラルネットワークは脳の神経回路網を計算モデルとして表現したものなので、相性はいいのかもしれません。

また、今回の結果から最新の機械学習技術が神経解読のための標準的な方法論になるべきであることを示唆しているとも述べています。

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