HTC、インテルとViveのワイヤレスVRソリューションを協力開発していることを発表。無線通信規格WiGigを使用

HTCは、中国ベースの「传送科技(TPCAST)」と協力してViveのワイヤレスアップグレードキットを開発・販売していますが(過去記事参照)、今回、WiGigによるワイヤレスVRソリューションをIntel(インテル)と協力で開発していることを発表しました。

「TPCAST」にしても、インテルにしても、どちらも周波数はWiFiで使われる5GHz帯ではなく60GHz帯を使用しています。ただし、違う無線通信規格を使用しており、前者は「WirelessHD(別名UltraGig)」に対して、後者は「WiGig」を採用しています。

WiGig

WiGigは、Intel、マイクロソフト、LG電子、NEC、パナソニック、デル、NVIDIA、AMDなどが参加している「WiGig Alliance」が策定している規格です。データレートは1チャンネルあたり最大7Gbpsと、高い転送速度を可能にするのが最大の特徴ですが、一方で壁などの障害物に弱く不安定になる問題も抱えています。これは次のWirelessHDも抱えています。(過去記事参照

WirelessHD

WirelessHDは、近距離の高精細ビデオの伝送専用に設計された古い規格です。60Ghz帯を採用し、標準の1.1バージョンでデータ圧縮なしで最大28ギガビット/秒のデータレートで送信することを可能としています。専用の受信機と送信機を必要とするのも特徴で、WiGigと違いIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)標準で承認されている無線通信規格です。

どちらも大容量のデータを伝送できるメリットがあるものの、障害物に弱いデメリットが存在します。しかし、電波を特定の方向に集中的に照射することで通信品質を向上させる技術「ビームフォーミング」など、回避する方法もいくつか存在し、対処法をどうしてくるかも気になるところです。

また、HTCは、さらなるソリューションの開発にも多くのパートナーを探しているとのことです。

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