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電通大、梶本准教授による「触覚とVR」の模擬授業の映像を公開。触覚は三人称視点では不可能。一人称性やインタラクティブ性が高いVRに適している。

電気通信大学で2016年10月1日に行なわれた「高校生・受験生のための模擬授業」から、Ⅰ類(情報系)梶本裕之准教授の模擬授業「ヴァーチャルリアリティのための触覚リアリティ技術」がYouTubeにて公開されましたので、ピックアップしたいと思います。

 

本当のVR元年とは

2016年はVR元年ではなく「VR普及元年」であり、研究の世界で認知された1989年(平成元年)が正確なVR元年である。つまり、平成何年がVR歴何年と等しい。

ただ、1965年に「Ivan Edward Sutherland(アイバン・エドワード・サザランド)」氏が、ブラウン型オシロスコープを画面にしたHMDを論文で発表しており、それもある種のVR元年とも言える。

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Oculus Rift DK1の一番の魅力

OculusVRがリリースしたHMD「DK1」が解決した中で一番重要なのが「高時間応答性」。頭を振ったときに映像が止まって見えなければいけない問題、技術的には首振りとは逆向きに高速に映像が動かなければいけない問題。これをハードウェア的に解決したのがOculus。

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HMDの次の一手とは

昨今のHMD技術において視覚は騙せるようになったので、次のステップとしてまだ再現できていない触覚が次の一手である。それはVRを体験したときに見えてるものを信用するために大抵が行う「手を伸ばす」という行為に付随するから。手をのばすという行為はサルでもする。

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アイバン・サザランド氏は、当時1965年に発表した論文でもそのことを示唆している。

究極ディスプレイというのは、本当は部屋みたいなものだ。部屋の中ではコンピュータが物質の存在をコントロールできるような部屋でなければいけない。そのときどういうことが起きなければいけないのか。その部屋で椅子が提示されたのであれば椅子に座れなければいけない。その部屋で手錠が表示されたら手錠で動けなくならなければならない。その部屋で弾丸が表示されたら死ななければならない。

論文:The Ultimate Display(pdf)

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初めてHMDを開発したアイバン・サザランド氏も触覚ベースを最終ゴールとしていた。

ここから梶本研究室で実際に行ってきた触覚に関する研究がいくつも披露されます。内容に関しては映像をご覧ください。

触覚はある日突然普及する

VRのように触覚提示技術もある日突然普及しはじめる。だからFacebookもやっている。ポイントは2つで、「いかに全身に納得感のある触覚を提示するか」「いかに全身の動いてる感覚に対応するか」。そして、触覚は未解明が多いため、現象の解明とデバイス開発の両輪を行うことが必要である。

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最近の触覚研究は6つに分類される

今、国際学会で流行ってる応用研究が10年後には実用化されていく。その中で、現在、集中的に行われている触覚の応用研究は大体6つに分類される。

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  1. タッチパネル。スマートフォンなどで採用しているタッチパネルで、触ったときの感触を与えることでデバイスの付加価値を上げる。
  2. 感情。触覚とは情動反応が起こりやすいものなので、感情のかたまりを引き起こさせることに注目。誰かに触られたときに人によって抱く感情が違うなど、物理的刺激は一緒でも感情は違う。
  3. ナビゲーション。体のある場所をどう動かすかを伝えるのに触覚は有効的。
  4. リアリティ。VRにおいてなど視覚情報に加えて触覚が入ることで現実感がアップする。
  5. 全身性。全身で感じることは指先で感じるのとはまったく違う感覚が得られる。
  6. 触覚AR。触覚をARに活用する研究。

触覚は三人称視点を作れない

触覚はインタラクティブ性が高く、自分の動作で生じる感覚が多い。一人称性も高く、三人称視点の視覚はあっても三人称視点の触覚はない。たとえば、刀で斬られるシーンを視覚したときに、斬られた方の触覚を再現すればいいのか、斬った方を再現すればいいのかが求められ、急に観客目線からどっちか目線の視点になる。つまり、触覚は映画館などに適していないのに対して、一人称性やインタラクティブ性を得意とするVRには適している。

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さいごに

電通大は、HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)トップカンファレンスにおいての論文数が国内3位。1位東京大学、2位慶応大学、3位が電気通信大学ということです。

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今回の映像はこちらから。

関連:電通大「梶本研究室」のVRに応用できそうな触覚研究6選。キスやソファを介した遠隔コミュニケーションや人工「胸キュン」装置等 | Seamless

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