神視点で家の中を見下ろす巨人(人間)とその中で動くVR視点の小人(アバター)が連携する「Dollhouse VR」

11月2-5日まで神戸で開催している3DCG/インタラクティブ技術の祭典「SIGGRAPH Asia 2015(シーグラフ アジア)」の2日目に行ってきました。2日目から始まったインタラクティブ技術デモが集結するEmerging Technologies(E-Tech)で目新しい作品を見つけたのでご紹介。「Dollhouse VR」というOculus Rift DK2とiPadなどのタッチパネルデバイスを使ったアイディアです。

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外(巨人)と中(小人)に分かれて相互にコミュニケートします。中はOculus Riftを装着してVR視点で動きまわり、外は上から小人を肉眼で見下ろしいじります。

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中というのが、iPadなど含めたタッチパネルデバイス上に映し出される家の中で、その中に小人はアバターとして住む状態になり、コントローラで動き回ることができます。そして、その小さなアバターを外から肉眼で見ているのが巨人(人間)で、ソファや机など家具をタッチで動かしレイアウトすることができます。それを小人(アバター)はリアルタイムで見れる。(巨人はアバター本人をタッチで動かすことはできません。)

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そして、面白いのが、小人(アバター)からも外の巨人たちをVR内で見ることができるという点で、タッチパネルデバイスに取り付けられたカメラから撮影された巨人の映像を家の天井に映し出される形で下から見ることができる仕組みになっています。

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さらに、手(指)に関して、巨人はVR内に入れることができて、小人も操作して手を動かすことが可能です。(巨人は小人の首の動きも認識できる。)

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まとめると、神視点の巨人が家の中にいる小人の動きを完全に把握することができ、小人は上を見ると巨人が見えるVR視点で動きまわることができ、お互いが声と指でコミュニケートをとって連携するシステムというわけです。というのを踏まえた上で動画をみるとより理解できるかと思います。

「Dollhouse VR」という作品は、もともとVR視点の小人と神視点の巨人とがリアルタイムに連携して建物内のベストなレイアウトを決めるというのが趣旨にあります。動画でもお店のレイアウトを決めるケーススタディを載せてありましたが、しかし、ここでエンターテイメントとしてゲームの可能性を考えてしまいます。

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巨人と小人が連携して仕掛け沢山の迷路をクリアする共同謎解きゲームとか、同じく共同作業で仕上げるパズルゲームとか、お化け屋敷の中で巨人がオブジェクトを動かして小人を脅かすとか、単純に鬼ごっとをして隠れたり逃げまわったりするとか、マリオゲームを一人称視点でするプレイヤーと、リアルタイムにマリオメーカーでステージを作る三人称視点のプレイヤーがいて、同時進行で2人がプレイするマルチゲームとか、Oculus Touch同士の小人たちがコミュニケートしてる中で、外からもいじられるとか、中と外が連動したVR SNSとか、いろいろ想像が膨らみます。

実際にやってみましたが、かなり可能性を感じました。これはぜひAltspaceVRなどのVR SNSへの応用を期待したいです。プロジェクトページはコチラ

「Dollhouse VR」は、以下の方たちによって開発されました。

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 中鉢 良治】(以下「産総研」という)人間情報研究部門【研究部門長 持丸 正明】デジタルヒューマン研究グループ 多田 充徳 研究グループ長、サービス観測・モデル化研究グループ 蔵田 武志 研究グループ長らと、国立大学法人 東京大学【総長 五神 真】(以下「東京大学」という)大学院情報理工学系研究科 五十嵐 健夫 教授らの研究グループは、がんこフードサービス株式会社【代表取締役社長 東川 浩之】と共同で、空間の利用者と複数の設計者が協調して空間をレイアウトできるシステム「Dollhouse VR」を開発した。

引用:産総研:複数人で協調して空間をレイアウトするシステム「Dollhouse VR」を開発

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